行政書士が解説「許可申請に必要な公的書類」

【2024/7/6】

建設業許可申請を行う場合には様々な「公的書類」を添付する必要があります。

基本的に役所で取得する書類ですが、申請までのスケジュールを逆算して考えないと「申請までに書類が揃わない!」と焦ってしまう事態になりますし、場合によっては申請が遅れてその結果許可取得が遅れるということにもなりかねません。

どんな公的書類が必要で、それをどこでどうやって取得するか。しっかりと把握しておく必要があります。

建設業許可申請に必要な「身分証明書」「登記されていないことの証明書」

法人で申請する場合には役員全員(監査役を除きます)の「身分証明書」と「登記されていないことの証明書」を取得します。

身分証明書は本籍地の市町村役場、登記されていないことの証明書は法務局で取得します。

身分証明書は「禁治産又は準禁治産の宣告を受けていないこと」「後見の登記を受けていないこと」「破産宣告又は破産手続開始決定を受けていないこと」を証明します。

登記されていないことの証明書は「後見登記等ファイルに成年後見人、被保佐人とする記録がないこと」を証明します。

いずれも窓口、郵送で取得できますが、郵送請求の場合は昨今の郵便事情を考慮に入れて早めに手配しておきましょう。

建設業許可申請に必要な「法人の履歴事項証明書」

法人で申請する場合は法人の「履歴事項全部証明書」を法務局で取得します。

履歴事項全部証明書は公開されているものですので、誰でも請求することができます。

履歴事項全部証明書に記載されている役員の身分証明書、登記されていないことの証明書を取得する必要があり、申請内容、例えば商号・本店所在地・資本金は履歴事項全部証明書に従って記載する必要があります。

また、申請者を証明するだけでなく経営業務管理責任者が他社での役員経験年数を証明する場合もその会社の履歴事項全部証明書を添付しますが、この場合は「役員経験年数」を証明する書類として非常に重要な役目を果たします。

例えば「経営業務管理責任者の佐藤氏は株式会社仙台工業で取締役経験が5年ある」という事実を証明する場合には株式会社仙台建設の履歴事項全部証明書(場合によっては閉鎖事項証明書)に佐藤氏が取締役として5年以上登記されていないと証明することができません。(実際に履歴事項全部証明書を取得したら取締役として登記されていなかった、という実に笑えないケースもあります)

建設業許可申請に必要な「法人の定款」

公的書類とは少々異なりますが、法人の場合は会社の「定款」が必要です。

定款とは会社の根本規則を定めたもので、株式会社の場合は公証人の認証を受けて基本的には会社内部で保管している書類(データ)です。

設立した際には必ず作成しており、その後変更などがあれば随時更新していくべきものです。

よく履歴事項全部証明書と混同される場合がありますが全く別物で、履歴事項全部証明書は法務局で取得するもの、定款は会社で保管している書類(データ)です。

建設業許可申請に必要な「納税証明書」

県知事許可の場合、法人は「法人事業税の納税証明書」、個人事業主は「個人事業税の納税証明書」、大臣許可の場合、法人は「法人税の納税証明書」、個人事業主は「所得税の納税証明書」を提出します。

法人事業税、個人事業税の納税証明書は各管轄の県税事務所、法人税、所得税の納税証明書は管轄の税務署で取得します。

県税の場合は県内最寄りの県税事務所で取得可能です。

尚、設立したばかりの法人の場合はこれらの納税証明書が取得できません。決算を迎えていないからです。

その場合は各自治体のルールに従って、例えば県税に提出した開業届の控えで代替する場合もあります。

建設業許可に必要な「預金残高証明書」

厳密には「公的書類」とは言えませんが、新規許可申請や業種追加申請等で預金残高証明書の提出を求められるケースがほとんどです。

建設業許可取得の要件に「財産的基礎」という項目がありますが、一般建設業の場合は「1.建設業を許可を受けて5年以上営業した経験」「2.500万円以上の資金的能力」という要件があります。

新規許可の場合は当然ながら5年の経験はないので500万円以上口座に保有しているという「預金残高証明書」を求められることが多いです。

この点、「資本金が500万円以上ならいいのでは?」という質問を良く受けますが、あくまで資本金とは別の考え方で、「申請の時点で」500万円以上あるか否か、という話です。

尚、この預金残高証明書ですが、前後した日付で2カ所の金融機関の残高証明書(300万円と200万円、合計500万円)を準備して提出したところ「不可」と回答された経験があります。

曰く「本来は500万円以上保有していないので、最初に300万円で残高証明書を取得して、そこから200万円引き出して別のき金融機関で残高証明書を作成したように見える。」

全くそんなことはなく本当にそれぞれ合計で500万円あったのですが、こういったケースもあります。

預金残高証明書は即日発行されずに2.3日期間を要する場合がありますので、早めの手配が必要です。

一方で有効期間が発行日から1ヵ月なので早く撮りすぎても無駄になる、という危険もあります。

(著者)行政書士 方波見泰造(ハイフィールド行政書士法人)

行政書士歴10年。建設業許可に関しては新規・更新・各種変更手続きの他、経営事項審査申請のサポートと入札参加資格申請を東北六県、関東で対応中。顧問契約で許認可管理も行っている。行政書士会や建設業者でも建設業許可に関する講演・セミナー実績あり。

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【保有資格】行政書士、宅地建物取引士(登録済)、経営革新等支援機関

経済産業省認定経営革新等支援機関として企業の資金繰をサポートするほか、不動産業(T&K不動産)にて事業用地の仲介も行う。

許認可という企業の生命線をしっかり管理しながら、資金繰りと事業用地という経営の土台も支える行政書士として日々研鑽を行う。

 

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