【2024/9/28執筆】
「内装仕上工事」「建具工事」は、いずれも一般的にはリフォーム工事の一種として考えられています。
何となくイメージも湧きやすいのではないでしょうか。
ここでは実際にはどういった工事が「内装仕上工事」「建具工事」に該当するのか、見ていきましょう。
内装仕上工事
「内装仕上工事」の内容
建設業許可上の「内装仕上工事」は、木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事を言います。
具体的には、以下のような工事か内装仕上工事に該当します。
- インテリア工事
- 天井仕上工事
- 壁張り工事
- 内装間切り工事
- 床仕上工事
- たたみ工事
- 家具工事
- 防音工事 等
いかがでしょうか。イメージしやすいのではないでしょうか。
言わば一般的な内装リフォーム工事です。（もちろん新築も該当します）
「内装仕上工事」の考え方
「家具工事」とは、建築物に家具を据付け又は家具の材料を現場に加工若しくは組み立てて据付ける工事を言います。
「防音工事」とは、建築物における通常の防音工事を指しており、ホールの構造的に音響効果を目的とするような工事は含まれません。
「たたみ工事」とは、採寸、割付け、たたみの製造・加工から敷きこみまでを一貫して請け負う工事を言います。
建具工事
「建具工事」の内容
建設業許可上の「建具工事」は、工作物に木製又は金属製の建具等を取付ける工事を言います。
具体的には、以下のような工事が建具工事に該当します。
- 金属製建具取付け工事
- サッシ取付け工事
- 金属製カーテンウォール取付け工事
- シャッター取付け工事
- 自動ドア取付け工事
- 木製建具取付け工事
- ふすま工事 等
「建具工事」の考え方
内装仕上工事と建具工事の違いを明確に理解するのは難しいところもあります。
建具工事がサッシの取付工事やドアの取付工事、窓の取付工事等、比較的開け閉めできる部品の取り付けを行うことが多い工事であるのに対し、内装仕上工事は、インテリア工事等、建物内部の床や壁、天井の仕上げ等工事を指すことが多いのではないでしょうか。
また、建具工事は、建具を取り付ける工事ですので、内装工事の後に実施されることが多いとも言えます。
「内装仕上工事」「建具工事」の許可取得に必要な専任技術者としての資格
建設業許可における「内装仕上工事」「建具工事」を取得するため、専任技術者に求められる資格は以下のとおりです。
【内装仕上工事】
| １級建築施工管理技士 |
| ２級建築施工管理技士（仕上げ） |
| １級建築士 |
| ２級建築士 |
| １級畳製作・畳工技能士 |
| ２級畳製作・畳工技能士（資格取得後に実務経験１年～３年） |
| １級内装仕上施工・カーテン施工・天井仕上施工・床仕上施工・表装・表具・表具工技能士 |
| ２級内装仕上施工・カーテン施工・天井仕上施工・床仕上施工・表装・表具・表具工技能士（資格取得後に実務経験１年～３年） |
上記の資格を保持していなくても「内装仕上工事」に関する実務経験があり、これを証明できれば専任技術者になることが可能です。
必要な実務経験はまずはその方の学歴によって異なってきます。
「建築学」「都市工学」に関する学科を卒業している場合には、高校卒業なら5年以上、大学卒業なら3年以上の内装仕上工事に関する実務経験があれば、専任技術者となることができます。
高度専門士や専門士の称号を持っている場合は大学卒業と同様に扱われます。
これら指定学科を卒業していない場合には「内装仕上工事」に関する10年以上の実務経験があれば専任技術者になれます。
これら実務経験は過去の注文書等の確認書類が必要であり、書類上実務経験が確認できて初めて専任技術者として認められます。
【建具工事】
| １級建築施工管理技士 |
| ２級建築施工管理技士（仕上げ） |
| １級建具製作・建具工・木工・カーテンウォール施工・サッシ施工技能士 |
| ２級建具製作・建具工・木工・カーテンウォール施工・サッシ施工技能士 （資格取得後に実務経験１年～３年） |
上記の資格を保持していなくても「建具工事」に関する実務経験があり、これを証明できれば専任技術者になることが可能です。
必要な実務経験はまずはその方の学歴によって異なってきます。
「建築学」「機械工学」に関する学科を卒業している場合には、高校卒業なら5年以上、大学卒業なら3年以上の建具工事に関する実務経験があれば、専任技術者となることができます。
高度専門士や専門士の称号を持っている場合は大学卒業と同様に扱われます。
これら指定学科を卒業していない場合には「建具工事に関する10年以上の実務経験があれば専任技術者になれます。
これら実務経験は過去の注文書等の確認書類が必要であり、書類上実務経験が確認できて初めて専任技術者として認められます。
（著者）行政書士 方波見泰造（ハイフィールド行政書士法人）
行政書士歴１０年。建設業許可に関しては新規・更新・各種変更手続きの他、経営事項審査申請のサポートと入札参加資格申請を東北六県、関東で対応中。顧問契約で許認可管理も行っている。行政書士会や建設業者でも建設業許可に関する講演・セミナー実績あり。
【保有資格】行政書士、宅地建物取引士（登録済）、経営革新等支援機関
経済産業省認定経営革新等支援機関として企業の資金繰をサポートするほか、不動産業（Ｔ＆Ｋ不動産）にて事業用地の仲介も行う。
許認可という企業の生命線をしっかり管理しながら、資金繰りと事業用地という経営の土台も支える行政書士として日々研鑽を行う。
