行政書士が解説「とび・土工・コンクリート工事」

【2025/1/4最新】

足場の仮設工事やくい打ち工事、コンクリートの打設工事や外構工事等、建設業許可取得に際して最もニーズが多いのがこの「とび・土工・コンクリート工事」です。

該当する工事も様々ですので、実際にはどういった工事が「とび・土工・コンクリート工事」に該当するのか、見ていきましょう。

建設業許可業種「とび・土工・コンクリート工事」

「とび・土工・コンクリート工事」の内容

1.足場の組立て,機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置,鉄骨等の組立て等を行う工事

とび工事、ひき工事、足場等仮設工事、重量物のクレーン等による揚重運搬配置工事、鉄骨組立て工事、コンクリートブロック据付け工事などが該当します。

とび工事(鳶工事)は新築工事や改修工事、解体工事等で必要な足場を組み立てる工事とそれに付随する建設業関係業務を指します。

ひき工事(曳工事)は住宅等の建物や重量物を移動する工事、地面から切り離して目的の場所へ移動する工事を言います。

2.くい打ち,くい抜き及び場所打ぐいを行う工事

くい工事、くい打ち工事、くい抜き工事、場所打ぐい工事等が該当します。

場所ぐい(場所打ち杭)工事は現場に深い穴を掘り、掘った穴に鉄筋を立ててコンクリートを流し込み、杭を造る工法です。

3.土砂等の掘削,盛上げ,締固め等を行う工事

土工事、掘削工事、根切り工事、発破工事、盛土工事等が該当します。

土工事は広く土を動かす工事全般を指し、基礎を設置するために敷地の地盤を掘る、土を搬出する、埋め戻す工事をスコップや重機を使用して行う工事を指します。

盛土工事は敷地の土砂等を盛って平らにする、地表を高くする、というような工事を指します。

発破工事は手作業や重機では掘削等が難しい場所において火薬類(発破)を爆発させ、岩盤等を崩す工事です。

4.コンクリートにより工作物を築造する工事

コンクリート工事,コンクリート打設工事,コンクリート圧送工事,プレストレストコンクリート工事等が該当します。

プレストレストコンクリートは「プレストレスト(Prestressed※予めストレスを与えられた)」つまり引っ張る力に弱い一般のコンクリートに対して緊張材によって強化したコンクリートを指し、これを使用したコンクリート工事をプレストレストコンクリート工事(PC工事)と言います。

5.その他「基礎的」ないしは「準備的」工事

その他幅広く「基礎的」「準備的」な工事はあらゆるケースが想定されます。

例えば地すべり防止工事、地盤改良工事、ボーリンググラウト工事、土留め工事、仮締切り工事、吹付け工事、法面保護工事、道路付属物設置工事、屋外広告物設置工事、捨石工事、外構工事、はつり工事、切断穿孔工事、アンカー工事、あと施工アンカー工事、潜水工事等が様々な「とび・土工・コンクリート工事、にあたる工事があります。

「とび・土工・コンクリート工事」の考え方

  • 『とび・土工・コンクリート工事』における「コンクリートブロック据付け工事」並びに『石工事』及び『タイル・れんが・ブロック工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」間の区分の考え方については考え方を整理する必要があります。
  • 根固めブロック、消波ブロックの据付けなど、土木工事において規模の大きいコンクリートブロックの据付けを行なう工事や、プレキャストコンクリートの柱、梁等の部材の設置工事等が『とび・土工・コンクリート工事』における「コンクリートブロック据付け工事」となります。建築物の内外装として擬石等をはり付ける工事や法面処理、又は雍壁としてとしてコンクリートブロックを積み、又は貼り付ける工事等が『石工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」です。
  • コンクリートブロックにより建築物を建設する工事等が『タイル・れんが・ブロック工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」であり、エクステリア工事としてこれを行う場合を含みます。
  • 『とび・土工・コンクリート工事』における「鉄骨組立工事」と『鋼構造物工事』における「鉄骨工事」との区分の考え方は、鉄骨の製作、加工から組立てまでを一貫して請け負うのが『鋼構造物工事』における「鉄骨工事」であり、既に加工された鉄骨を現場で組立てることのみを請け負うのが『とび・土工・コンクリート工事』における「鉄骨組立工事」です。
  • 「プレストレストコンクリート工事」のうち橋梁等の土木工作物を総合的に建設するプレストレストコンクリート構造物工事は『土木一式工事』に該当します。
  • 「地盤改良工事」とは、薬液注入工事、ウエルポイント工事等各種の地盤の改良を行う工事を総称したものを言います。
  • 『とび・土工・コンクリート工事』における「吹付け工事」とは、「モルタル吹付け工事」及び「種子吹付け工事」を総称したものであり、法面処理等のためにモルタル又は種子を吹付ける工事をいい、建築物に対するモルタル等の吹付けは『左官工事』における「吹付け工事」に該当します。
  • 「法面保護工事」とは、法枠の設置等により法面の崩壊を防止する工事です。
  • 「道路付属物設置工事」には、道路標識やガードレールの設置工事が含まれます。
  • 『とび・土工・コンクリート工事』における「屋外広告物設置工事」と『鋼構造物工事』における「屋外広告工事」との区分の考え方は、現場で屋外広告物の製作、加工から設置までを一貫して請け負うのが『鋼構造物工事』における「屋外広告工事」であり、それ以外の工事が『とび・土工・コンクリート工事』における「屋外広告物設置工事」です。
  • トンネル防水工事等の土木系の防水工事は『防水工事』ではなく『とび・土工・コンクリート工事』に該当し、いわゆる建築系の防水工事は『防水工事』に該当します。

「とび・土工・コンクリート工事」の許可を取得するための専任技術者の主な資格

とび・土工・コンクリート工事の許可を取得するために専任技術者に必要な主な資格は以下のとおりです。

資格を保有していない場合は、「関連する学歴+3~5年のとび・土工・コンクリート工事に関する実務経験」、「とび・土工・コンクリート工事の実務経験10年」で専任技術者となることができます。

(ただし、許可申請の際にそれを証明する過去の資料が必要です。)

1級土木施工管理技士
2級土木施工管理技士
1級建設機械施工管理技士
2級建設機械施工管理技士
1級建築施工管理技士
2級建築施工管理技士
1級型枠施工技能士
2級型枠施工技能士(資格取得後に実務経験1年~3年)
1級とび・とび工技能士
2級とび・とび工技能士(資格取得後に実務経験1年~3年)
1級コンクリート圧送施工技能士
2級コンクリート圧送施工技能士(資格取得後に実務経験1年~3年)
1級ウェルポイント施工技能士
2級ウェルポイント施工技能士(資格取得後に実務経験1年~3年)
地すべり防止工事
基礎ぐい工事

(著者)行政書士 方波見泰造(ハイフィールド行政書士法人)

行政書士歴10年。建設業許可に関しては新規・更新・各種変更手続きの他、経営事項審査申請のサポートと入札参加資格申請を東北六県、関東で対応中。顧問契約で許認可管理も行っている。行政書士会や建設業者でも建設業許可に関する講演・セミナー実績あり。

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【保有資格】行政書士、宅地建物取引士(登録済)、経営革新等支援機関

経済産業省認定経営革新等支援機関として企業の資金繰をサポートするほか、不動産業(T&K不動産)にて事業用地の仲介も行う。

許認可という企業の生命線をしっかり管理しながら、資金繰りと事業用地という経営の土台も支える行政書士として日々研鑽を行う。

 

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